デザインのキホン!4大原則
これまでデザイナーを目指すにあたって、大切なことや学習方法をご紹介してきました。
実際にデザインをするにあたって気をつけるべきポイントは何でしょうか?
どのようにすれば伝わりやすいデザインを作れるのでしょうか?
そもそもデザインとは
「ある問題を解決するために思考・概念の組み立てを行い、それを様々な媒体に応じて表現すること(Wikipediaより引用)」とあります。
「様々な媒体に応じて表現すること」も見た目のデザインとして大切です。
しかし「問題を解決する」、「思考・概念を組み立てる」といった過程も含めて製作を行うことがデザインをするということになります。
さて、「思考・概念を組み立てる」ときにも「様々な媒体に応じて表現する」ときにも役立つデザインの4大原則があります。
それは「近接(Proximity)」「整列(Alignment)」「強弱(Contrast)」「反復(Repetition)」です。
今回はこの4大原則を解説してみたいと思います。
1.近接(Proximity)
近接(Proximity)とは関連する要素を近づけてグループにすることです。
人は位置的に近いものを「関係があるもの」と認識する習性があるそうです。
関係性に従って位置を整理し、グループ化をさせることで情報にまとまりが生まれます。
しかし、ただ近づけるだけではそれぞれの関係性が見えづらくなってしまいます。
何から何までが関係しているのかをはっきりさせるためにグループごとに余白を持たせると良いでしょう。
近接のポイントは関連する要素同士を近づけて配置し、異なる要素とは少し余白を作ることです。
そうすれば視覚的に理解しやすいレイアウトになるでしょう。
これは企画書の作成などにも活用できるため思考を組み待てる際にも意識してみてはいかがでしょうか?
2.整列(Alignment)
整列(Alignment)とは要素にルールを持たせることです。
関連する要素同士の色、配置やサイズがバラバラだと何が同じもので何が違うものなのか、見分けがつかなくなります。
整列という文字通り並べるだけではなく「揃え」を意識することがコツとなります。
「揃え」というのは「見えない線」でつなげることです。
要素を右揃え・左揃え・中央揃え・上揃え・下揃えなどの見えない線でつなげると、視覚的にグループの種類を理解しやすくなります。
整列のポイントは関連する情報同士はサイズや色を統一することと見えない線で繋げて揃えることです。
近接と同様に理解しやすい組織化されたデザインになります。
3.強弱(Contrast)
強弱(Contrast)とは情報の優先度をつけ、違いを明確にすることです。
情報の要素にはどのようなものがあるか見てみましょう。
「見出し」「画像」「本文」「脚注」などがあります。
見出しは大きく、本文は小さくといったことはもうすでにご存知かもしれません。
しかし、「本文」と「脚注」が同じ大きさだと情報の重要度の差が出なくなります。
さらにそれぞれにある程度の思い切りがないともっと「似て非なる」情報になってしまいます。
適切な強弱は、抑揚によるリズムとなります。
シンプルなデザインにしたい場合でも、中途半端な違いにせず強弱をはっきりさせることが大切になります。
読む情報から見る情報にすることを意識しましょう。
強弱のポイントは臆病にならず思い切って差をつけることです。
見る側の情報を処理するスピードが早くなり、「直感的に伝わるデザイン」を作ることができます。
4.反復(Repetition)
反復(Repetition)とは特徴的な要素を繰り返すことで一貫性を持たせることです。
線や色、レイアウト、文字量などにルールを決め、それを反復してみましょう。
そうすると「どの情報を見ているのか」を直感的に知らせる効果を持たせられます。
ちなみにwebや広告では、一貫性を持たせるためのスタイルやルールのことを「トーン&マナー」と呼ぶこともあります。
ここで注意が必要なのですが、ひとつのデザインルールだけで構成されると、面白みがなくなってしまうときがあります。
そんな時は、試してみてほしい手段がふたつあります。
ひとつ目は、もうひとつデザインルールを加えてみることです。
ふたつ目は、あえて反復しないデザインを取り入れることです。
ルールの足し引きで単調になりすぎなくなったり、要素を強調する効果やアクセントが生まれたのではないでしょうか?
反復のポイントはリズムを意識することです。
同じものを繰り返し、リズムをつけることで理解するスピードを上げることができます。
5.まとめ
デザインの4大原則について解説しました。
これらを意識するだけでグッと印象的で伝わりやすいデザインになります。
4大原則、それぞれのポイントで「わかりやすい」、「情報理解のスピードが上がる」といった言葉を使ってきました。
見る側をいかに離さず、素早く意図をちゃんと伝えるかが私たちデザイナーがするべき「問題を解決する」ことに繋がります。
街の中にあるデザインをよく観察して見ると、この4大原則が守られていることが多いのではないでしょうか?
すでにご存知だった方も、情報がうまくまとまらない・伝えられない時はこの基本に立ち戻ってみるのもいいかもしれません。
また、デザインだけではなくプレゼンの資料作りや設計など様々な分野にも応用できるのがこの4大原則です。
「問題を解決する」、「思考・概念を組み立てる」際に「近接(Proximity)」「整列(Alignment)」「強弱(Contrast)」「反復(Repetition)」を意識してみましょう。
そうするときっと情報が伝わりすくなるので、是非取り入れてみてください。