BtoB向けSNSマーケティングの効果的な活用方法を徹底解説
SNSマーケティングと聞くと、BtoCマーケティングを思いつきますが、SNSマーケティングはBtoBでも効果的です。
SNSマーケティングはむやみに配信すれば良いわけではなく、成功するためには、発信内容や運用のやり方が重要です。
そこでこの記事では、BtoB向けのSNSマーケティングの始め方と、効果的な活用方法・手順を詳しく解説します。
これからSNSマーケティングに取り組みたいと考えている人、特にBtoBマーケティングを必要とするマーケティング担当者の方は、ぜひ参考にしてみてください。
BtoB向けのSNSマーケティングとは?
ICT総研の「2022年度SNS利用動向に関する調査」によると、日本におけるSNS利用者は8,270万人(普及率82%)、2024年末に8,388万人へ拡大するそうです。
https://ictr.co.jp/report/20220517-2.html/
日本人の8割以上がSNSを利用する現代では、まずSNSで情報を利用します。
BtoBマーケティングのターゲットである企業の社員や役員も、普段からSNSを通じて情報収集しています。
そのため、企業が発信するビジネス向けのコンテンツも直接リーチする可能性が高いのがSNSを通じたコンテンツマーケティングです。
有益なコンテンツが決裁者まで届く可能性があるメディア利用としてSNSマーケティングは有効です。
BtoB向け製品・サービスでSNSマーケティングに取り組む際には、BtoBならでは意思決定プロセスの特徴を抑えたうえで具体的な施策を検討していく必要があります。
それではここからBtoB向けSNSマーケティングの特徴を見ていきましょう。
①担当者と意思決定者が異なる
BtoCは製品やサービスを検討するのも、購入の意思決定するのも、実際に使うのも同一人物である場合がほとんどです。
一方で、BtoBは製品・サービスを窓口の担当者が検討し、稟議をあげ、次に意思決定者が購入を決め、そして現場担当者が実際に使うといったように複数の担当者が製品・サービスに関わります。
②意思決定までの時間が長い
BtoCはユーザー本人が良いと判断すれば、購入の意思決定が即座に行われますが、BtoBは上述のように複数の担当者が関わるため、一筋縄ではいきません。
社内での検討から稟議、決済が終わるまでには、BtoCと比べ非常に長い時間かかります。
③高単価で継続的な取引が期待
BtoBは法人顧客が取引先となるため、BtoCと比較すると1回の取引単価は高くなります。
複数の担当者によって長い時間をかけて意思決定を行うため、一度購入されれば継続的な取引が期待できるのもBtoBの特徴です。
上述のようにBtoBは複数の担当者が関わり、購入までの意思決定が長いため、SNSマーケティングにおいても、それを前提とした取り組みが重要です。
また、BtoCとは異なり、対象となるターゲットは限られるため、SNSマーケティングを取り組む際にいわゆる「フォロワー数をとにかく増やす」「バズる」といったことは不要です。
BtoB向けのSNSマーケティングで実現できること
BtoB向けの製品・サービスでSNSマーケティングに取り組むことで実現できることは、潜在顧客の獲得、企業ブランディングの強化、潜在顧客から健在顧客への育成の3つです。
1.潜在顧客の獲得
SNSマーケティングの大きな強みは「潜在顧客を獲得しやすい」点です。
「潜在顧客」とは、自社の商品やサービスの存在を知ることで、見込み顧客になる可能性がある顧客のことです。
自社商品をこれから売りたい、商品や企業の認知をあげたい場合、この商品のニーズにマッチする「潜在顧客」にリーチすることが重要です。
SNSではプラットフォーム上でユーザーのニーズに合わせてコンテンツの表示が最適化されるため、ユーザーセグメントに合わせたコンテンツが配信できます。
例えば、大学生ならおしゃれなカフェやランチ、会社員なら居酒屋やニュースなど、それぞれのニーズに合わせてコンテンツが配信されます。
同様に、BtoBマーケティングでビジネスノウハウや、対企業間の商品について知りたいユーザーに自社商品のコンテンツが最適化して配信されます。
2.企業ブランディングの強化
自社製品や企業のブランディングにもSNSマーケティングは効果的に活用できます。
企業が大切にしている価値観や世界観は、Webサイトだけでは十分に伝えられない場合があります。自ら企業ページやサービスページを検索して訪れるユーザーは、それほど多くはないでしょう。
それに対して、SNSはプラットフォームに多くのユーザーがいるため、価値観や世界観をより多くの人に伝えやすいメディアです。
ユーザーに企業の世界観や価値観を伝え共感を得られれば、ユーザーは優良顧客となる可能性が増すでしょう。
また、SNSでは既存顧客との関係強化にも効果があります。
ビジネスメールでコミュニケーションを取っている企業も多いですが、SNSでいち早く情報発信を行い既存顧客へ周知を図ることができ、また、顧客からのメッセージに返信でき、シームレスなコミュニケーションが可能です。
3.潜在顧客から顕在顧客への育成
認知獲得できているにも関わらず売上が伸び悩んでいる場合は、潜在顧客から顕在顧客への育成が不十分だと判断できます。
SNSを上手く活用すれば、少ない予算でも効果的に潜在顧客の育成が可能です。
具体的な施策例のひとつとして、公式LINEへの誘導が挙げられます。TwitterやFacebook、Instagramで獲得した潜在層を企業の公式LINEの登録につなげることで、より距離感の近いアプローチが可能になります。
TwitterやFacebookなどでは提供できない価値の高い情報を発信すれば、顧客の信頼を獲得でき顕在層への育成につなげられるでしょう。
BtoB向けSNSマーケティングのターゲットに効果的な媒体を選ぶには?
各SNSはそれぞれユーザー層や効果的な発信内容が異なります。企業にとって目的やターゲットに合わせた媒体を選ぶのも重要なポイントです。
BtoB向けのSNSマーケティングでも活用されている国内の主なSNS媒体は以下の5つです。
- LINE
- YouTube
ここからは国内の主要SNSサービス5つをご紹介します。
Facebookは世界20億人以上が利用する実名登録制のSNSで、信頼性が重要なビジネス活用に有効です。
Facebook広告はターゲティング精度が高く、ユーザー行動からニーズにリーチできるため、よりニッチな商品や高額な製品も最適な顧客に訴求できるのが強みです。
40~50代の利用者が多く、友人だけでなく仕事のつながりもあるため、BtoBマーケティングにも最適です。
Twitterはテキストを中心としたSNSで、SNSの中ではもっとも拡散力が高く、認知拡大に効果的なメディアです。
10代や20代だけでなく30、40代の利用者も多いため、BtoBマーケティングとして活用もされています。
また、近年では企業の代表や取締役が個人アカウントを通じて企業ブランディングするほど、個人のマーケティングや発信に有効です。
Instagramも写真共有アプリとしてBtoCの印象が強いですが、BtoB企業の世界観や価値観を視覚的に伝えるのに適しています。
Instagramは若者層が多い印象ですが、徐々に年齢層が上がっており企業ブランディングとしても有効に使われています。
LINE
国内最大の利用者を誇るメッセンジャーサービスがLINEです。2022年には月間利用者数9000万人を超え、圧倒的なリーチ力の高さが魅力です。
基本的にはBtoCで活用するケースが多いですが、メルマガの代わりに公式LINEを使いコンテンツ配信を通して顧客とコミュニケーションを取ることができます。
さらに、拡張サービスを活用して、リード育成を行いコンバージョンに近づけるなど、マーケティング方法が多彩です。
他のSNSと比べると、メッセンジャーサービスが根幹なのでクローズドなSNSですが、その分距離感の近いマーケティングが可能です。
YouTube
YouTubeは動画共有サイトですが、ソーシャルメディアとしての側面があります。
投稿した動画がそのコンテンツに興味のあるユーザーに自動的にオススメされるだけでなく、エンゲージメントを高めるよう表示頻度が最適化されます。
動画コンテンツが中心のSNSであるため、直接ブランディングを訴求できるのがメリットです。
YouTubeから自社サイトやオウンドメディア、他のSNSに誘導して顧客ロイヤリティを高める施策が有効です。
BtoB向けSNSマーケティングを活用する3つの注意点
SNSマーケティングで注意するポイントは3つあります。ここからは3つのポイントを具体的に解説します。
1.効果測定を必ず行う
SNSマーケティングに限らず、マーケティング施策の運用で重要なのは適切な効果測定です。
SNSでただ投稿していても、商品のコンバージョンや集客など結果に結びつきません。
適切に効果測定を行うためには、目標設定(KGI、KPI)が重要です。
「自社商品の売り上げを20%向上させる」など、明確な目標設定を行うことで、定期的に効果測定が可能です。
2.継続的な運用コストが必要である
SNSを通じて発信する投稿内容は、ユーザーにとって有意義な情報でなければならず、投稿のクオリティを落とさず中長期的に運用することで初めて成果につながります。
また、投稿内容の考案とは別にユーザーとのコミュニケーションにも時間を割く必要があるため、負うべき運用コストは決して小さくありません。SNSマーケティングを始めるにあたり必要な業務リソースは入念に見積もっておく必要があります。
3.炎上する可能性がある
いずれのSNSも、利用者の年齢や性別に偏りこそありますが、発信内容が不特定多数のユーザーの目に触れることに変わりはありません。
あらゆる属性のユーザーに見られる特性上、思いがけない理由で拡散されたり、意図しない理由で注目されたりしてしまう可能性があります。
一部のユーザーにネガティブな印象を与える発信をしてしまい、トラブルの原因を作ることがないように注意が必要です。
まとめ
日本人の8割がSNSを利用する現代では、BtoB向けのSNSマーケティングも有効なマーケティング施策の一つです。
成果を出すためにも、事業課題から目的を洗い出し、自社製品と顧客理解を深める必要があるのです。