WebマーケターとWebディレクターの違いは?
Web業界には、WebデザイナーやWebプログラマー、Webエンジニア、Webライターなど、様々な職種がありますが、中でも仕事内容の区別が難しいのが「Webマーケター」と「Webディレクター」です。担当する役割や業務内容にはどのような違いがあるのでしょうか。
本記事では、一般的に区別できる2つの職種の違いについて紹介します。仕事内容、スキル、給料など、様々な面から比較してみましょう。
違いを理解することで自分がどちらに向いているのかも知ることができ、その後のキャリアも変わっていきます。
1.仕事内容の違い
まず、2つの職種を一言で表現すると、
Webマーケター:Web戦略のリーダー
Webディレクター:Web制作のリーダー
です。詳しく解説していきます。
Webマーケター(Web戦略のリーダー)
【主な仕事】
- SEO対策・MEO対策の実施(検索エンジン最適化)
- リスティング広告の運用
- SNS広告の運用
- ホームページ分析
- メールマガジン配信
言葉の通り、Webを活用してマーケティングを行う仕事です。
具体的には、WebサイトやSNS、インターネット広告などの様々なWebサービスを利用してユーザーを集客し、どのように企業の売上を伸ばすか全体的な作戦(マーケティング戦略)を考えます。売上をつくるには集客やブランディング、リピーター作りが欠かせませんが、これをWebならではの機能を使って行うのがWebマーケターです。
Webディレクター(Web制作のリーダー)
【仕事内容】
- スケジュールの進行管理
- 予算管理
- 顧客とのコミュニケーション
- 制作メンバーへの指示
営業が受注したWebサイト制作やリニューアル、アプリ開発におけるプロジェクトが円滑に進むように、全体を統括・指揮する役割です。
具体的には、クライアントからのヒアリングをもとに要件整理し、構成やコンテンツ内容の策定を選定したデザイナーやライター、エンジニアなど各担当メンバーに共有して、問題なく納品まで進めるように、スケジュール管理をします。
制作の最初から最後まですべての工程に関わり、ディレクションを行う役割です。
2.必要なスキルの違い
WebマーケターとWebディレクターの仕事は異なるとなると、求められるスキルも違うはずです。ここではそれぞれに必要なスキルを解説します。
Webマーケター
【主なスキル】
- Web・SNS広告運用
- SNSマーケティング
- SEOを意識したライティング
- 検索エンジンでのSEO・MEO対策
- アクセスデータ解析
同じWebマーケターでも、様々なWebサービスの中から最適なプランを考えるので、求められる専門スキルや知識も幅広く、多種多様です。
数値を使って論理的に根拠を示すことが多いので、分析力があると強い武器となります。
次々と出てくる新しい手法をトレンドに沿って導入するためには、常に市場へとアンテナを張る好奇心や、変化への対応力などもあるといいでしょう。
Webマーケターはホームページに関すること以外でもSNS運用・ネット広告など、様々な業務を対応します。ここがWebディレクターとは、大きく違うポイントとなります。
Webディレクター
【主なスキル】
- コミュニケーション能力
- スケジュール管理
- プログラミングやデザイン、システムの基本的な知識・理解
- PhotoshopやIllustratorの基本操作
- Web運用の知識
クライアントからの要件ヒアリングや折衝、制作メンバーへの指示・進捗状況確認など、様々な人たちと連絡を取りながら制作を円滑に進めていく必要があるため、対人スキルやチームをまとめ上げていく統率力、コミュニケーション能力、マネジメント力が求められます。
Webディレクターはメンバーの管理や品質チェックなどをおこなう職業という位置づけのため、デザインやコーディングをおこなうことは求められないことが通常ですが、コミュニケーションをとるにあたり、サーバーや通信関係などの高度なWeb知識やマーケティング知識があると信頼に繋がるでしょう。
人が集まるサイトを作るために、Webマーケターは客観的な数値を重視しますが、Webディレクターは企画力で勝負しなくてはなりません。そのためには想像力や共感力が大切です。
3.給料・待遇の違い
仕事を選ぶ上でやりがいももちろん大切ですが、どのくらいの収入が得られるのかというのも重要です。WebマーケターとWebディレクター、それぞれの年収を比較していきましょう。
年代 | 年収(全体) | 年収(Webマーケ) | 年収(Webディレク) |
---|---|---|---|
20代 | 348万円 | 374万円 | 365万円 |
30代 | 444万円 | 468万円 | 462万円 |
40代 | 510万円 | 554万円 | 527万円 |
コロナ禍によっておうち時間が増えたことでインターネットの需要が高まり、どちらも平均より年収は比較的少し高めです。
更に2つの職業で年収を比較すると、同じWeb業界でありながら、Webマーケターの方が少し高くなっています。理由としては、やはり専門性が高く幅広いスキルを必要とする仕事ということと、クライアントの売上を左右する重要なポジションのための責任から、年収の差があると言えるでしょう。
もちろん会社やスキル、実績によって、WebディレクターがWebマーケターの年収を上回るケースもあります。また、同じWebディレクターでも経験や実力によって年収が変わってくるのはいうまでもありません。
4.目指す方法の違い
WebマーケターとWebディレクター、どちらの職種を選ぶにしても、独学またはスクールに通って基本的なWebに関する知識を身につけておきましょう。最近のWebスクールでは、Webサイト制作を1から体系的に学べるカリキュラムを提供しているところもあります。
Webマーケター
専門職ではありますが、未経験可の求人もあります。
事前に身につけた知識をもとに、Web制作会社やWebマーケティング会社に就職や、告代理店などで市場調査や分析のサポート業務など、働きながら実務経験を積んでいく人が多いです。
Web系の関連職種から、Webマーケターを目指す方法もあります。
WebデザイナーやWebディレクターはWebマーケターと関わりの深い職種なので、経験を生かしやすいでしょう。
Webディレクター
Webディレクターは関連職の経験者の方が有利です。
しかしながらWebの需要が高まる今の時代、Webディレクターも人材不足なため、未経験者歓迎という求人を出している会社もあります。
最初はアシスタントとして、ディレクターについて仕事を学びながら、日々の更新業務や簡単な制作から仕事を経験し、1~3年後の自立を目指します。
やり方を間近で学ぶことで、制作スタッフとのチーム作業やチーム間折衝のノウハウを現場で身につけていくことができます。
5.【まとめ】WebディレクターとWebマーケターの違いは?
本記事では、WebマーケターとWebディレクターの違いについて紹介しました。
仕事内容や必要なスキルは異なりますが、共通していえるのがWebに関する高い専門性が求められることです。
今後もWeb業界の需要は伸び続けると思いますので、WebマーケティングやWebディレクターとしての経験やスキルは、かなり重宝されるでしょう。